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シリーズ向う岸からの世界史
花と死者の中世
キヨメとしての能・華・茶

 

 

中島 渉 著

 

四六判並製 190頁
定価1700円+税

978-4-7592-6735-8
C0321

 

 

乞食所行からの脱却とは―日本を代表する古典芸能の能・華・茶。その核にあるのはキヨメであり、いずれも中世被差別民が創出した文化だった。権力者との確執の中で、それらを芸術に高めた世阿弥や利休の生きざま、彼らの背後に横たわるケガレとキヨメの部落史!!

序 ネアンデルタール人の花

第1章 華
1.石立僧と山水河原者
   武家が主役の時代―室町将軍と花の御所
   庭は神の降りる場所
   巨石の咒力を重んじた石立僧
   河原者・善阿弥の庭
   河原物たちの美意識
   日本中世の被差別民―非人と河原者
   又四郎のつぶやき
2.時衆と同朋衆
   足利義満に仕えた同朋衆
   踊る一遍と時衆
   葬送と時衆
   怨霊を鎮魂するひとびと―花の下連歌
   立阿弥―立華をになう同朋衆
3.六角堂池坊の登場
   『池坊由来記』と小野妹子
   供華から立華へ
   六角町の魚商人
   花僧・専応のルーツ
   ムラの寺につたわる立華

第2章 能
1.世阿弥と観阿弥の革命
   能楽の起源
   座の形成
   世阿弥の生涯
   猿楽の革命家・観阿弥
   観阿弥・世阿弥が確立したもの
2.黒い翁の向こう側
   謎に包まれる《翁》
   猿楽から能へ
   キヨメとしての能、そこにあらわれるキヨメ役
3.「乞食所行」からの脱却
   翁は宿非人の氏神
   世阿弥の申楽伝説
   宿の民と白山信仰
   「乞食の所行」からの脱却とは
4.能舞台という宇宙
   猿楽に憑かれた秀吉
   あの世からこの世への通路―橋がかり
   死者の息づく中世
5.傀儡子と白拍子の衰退
   中世に生きた女性芸能者
   賤視が強まった室町期
   傀儡子の起源をめぐって
   夷兒き、夷舞しと傀儡子

第3章 茶
1.北東の嘉木
   薬としての茶のルーツ
   栄西がもたらした抹茶法
   禅寺での茶から書院の茶へ
   侘び茶の核にあるキヨメ
2.自治都市・堺が生んだ利休
   「茶聖」利休の実像
   同朋衆から町衆へ移る茶の主役
   利休=渡来人説
3.雪駄と茶筅をめぐる謎
   雪駄づくりで栄えたムラ
   竹を愛した利休―竹の咒力を茶の湯とむすぶ
   「茶筅」への賤視
4.茶湯御政道と樂茶碗
   黄金の茶室
   神話化・ブランド化される利休
5.擬死再生儀礼と花
   胎内としての茶室
   キヨメの動作に見る身体宇宙観
   秀吉はなぜ利休に切腹を命じたか―朝顔の茶会
   秀吉と利休―「吾唯足知(吾唯足るを知る)」

第4章 中世のパラダイムシフト
1.武家政権の時代へ
   武家の台頭とケガレ観の拡大
   動乱の時代と祝祭
   根の国・熊野への御幸
   遍歴する女性宗教者たち
   検非違使によるケガレ管理
   争乱の世に生まれでた文化思想
2.賤なる者のとり立て―足利義満の生涯
   武士とケガレ
   「ケガレぬ存在」を意識した足利義満
   天皇との競りあい―陰陽師の引き立て
   後醍醐天皇と義満
3.芸能を生むエネルギー場
   河原・花の下・座・会所
   非人文化と婆娑羅大名
   中世の終焉
4.花はつたえられるのか
   忘れられたルーツ
   世阿弥の「花」
あとがき
参考文献



【著者略歴】

●中島 渉(なかじま・わたる)
1959年生まれ、埼玉県出身。作家・ジャーナリスト。国際政治や外交関係をリーダーのファッションから分析するなど、独自の評論活動を展開。主著に『スーツの法則』(小学館)がある。近年は日本の伝統文化をアジア全体のなかで捉え直したり、新しい視座から読み解くことを試行している。自身も茶や能、短歌を遊び、本書はそうした体験から生まれた。世界の染織文化にも造詣が深い。

 


 

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