福島みずほの人権いろいろ


月刊誌『部落解放』好評連載中コラムを福島みずほさんのご了解を得て、転載いたします。

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改憲発議がねらわれている
〈『部落解放』2017年11月号〉

 

 いよいよ解散総選挙である。
 国会議員の四分の一以上が臨時国会の召集を要求したら、国会を召集しなければならないと憲法は規定している。六月に野党が出した臨時国会召集要求を無視して、安倍総理は臨時国会を開かなかった。まさに憲法違反である。そして安倍総理は九月二八日に臨時国会を開き、冒頭解散。なぜ本会議で質疑をやらないのか。なぜ予算委員会でガンガン質疑をやらないのか。安倍総理は、質問されるのが嫌なのだ。とりわけ森友・加計学園問題で、質問されるのが嫌なのだ。森友・加計学園問題については、たくさんの資料や情報が出てきた。とことん追及しなければならない。
 安倍総理は七月、加計学園の加計孝太郎さんが今治市で獣医学部をつくりたいと思っていたのを今年の一月二〇日に初めて知ったと答弁した。しかし総理は、三月の予算委員会での私の質問や四月の質問主意書に対して、構造改革特区のときから知っていたと答えている。どうしてこんな真っ赤な嘘をつくのか。
 安倍総理の解散は、疑惑隠し解散である。そして、いまなら勝てると踏んでの手前勝手解散である。総理は政治を私物化しているが、選挙も私物化している。もり・かけ解散、安倍おろし選挙である。
 安倍総理を退陣させなければ大変なことになる。安倍総理は、選挙に勝てば、憲法九条改悪に国民の信は得られたとして、来年、必ず憲法改悪の発議をするだろう。自民党の改憲本部長は、来年六月に発議をすると言い、副総裁も来年、通常国会で憲法改悪の発議をすると言っている。
 秋に臨時国会で議論をせずに、解散総選挙とした。ほとんど議論をせずに、来年六月に発議ができるだろうか。しかし、共謀罪は、参議院の法務委員会でわずか一七時間五〇分しか審議をせず、しかも委員会での採決をすっとばして、中間報告というかたちで本会議で採決をした。議論を十分して反対の声が大きくなる前に採決するのが安倍総理の特徴である。憲法改悪の発議も同じようにするのではないか。論点を十分議論し、国民の理解を深めることなどしない。国民の多くが、あまりわからないうちにやろうとするのではないか。
 だから、来年三月末に予算案が成立したら、いつでも憲法改正の発議はありうると考えたほうがいいのではないか。
 憲法九条三項に自衛隊を明記すると総理は言う。この自衛隊は災害救助の自衛隊ではない。違憲の安保関連法の合憲化であり、集団的自衛権を行使する自衛隊である。憲法九条一項、二項の完全な破壊である。
 「日本国は自衛隊を保持する」とするか、「我が国の平和と国民の安全を確保するため、自衛権を行使する目的で、自衛隊を保持する」とするか、「我が国の平和と世界の平和と国民の安全を確保するため、自衛権を行使する」とするか。
 繰り返すが、この自衛権は、集団的自衛権も含む。自分の国が攻められていないにもかかわらず、売られていないケンカを買い、世界で戦争をするのである。伸縮自在の自衛権。そして、この場合の自衛隊は軍隊である。軍隊は軍法会議を持つ。裁判官、検察官、弁護人は軍人である。そして、軍隊は憲兵隊を持つ。
 安倍総理を退陣させなければ、憲法改悪の国民投票まで突き進んでいくだろう。私たちが平和憲法を守れるかどうか、まさにいまである。
 私は、何としても憲法九条を守りたい。戦争は、国家が人に人を殺せと命じるものである。どれだけの命が戦争で奪われるのだろうか。第二次世界大戦で、三〇〇万人以上の日本人が、そして、二〇〇〇万人以上といわれるアジアの人々が犠牲になった。ようやく獲得したのが平和憲法である。そして、未来の子どもたち、未来に対しても責任がある。
 安保関連法・戦争法が審議されているときは、自衛隊を違憲と考える人も、合憲と考える人も、ともに力を合わせて反対した。憲法九条改悪に、自衛隊が違憲と考える人も、合憲と考える人も、そして、自衛隊の人たちとも力を合わせて反対していきたい。衆議院選挙で、一人ひとりが風を起こそう!




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