福島みずほの人権いろいろ


月刊誌『部落解放』好評連載中コラムを福島みずほさんのご了解を得て、転載いたします。

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なぜ決済文書の改ざんが
〈『部落解放』2018年5月号〉

 

 国会がいま大揺れである。驚くような事実が毎日出てきている。
 森友学園問題である。三月二七日に財務省の前理財局長の佐川さんの証人喚問があったが、まだこれは入り口にしかすぎない。
 この一年間、国会で虚偽答弁と改ざんされた文書の開示が横行してきた。国会に正式に提出された決済文書が大幅に改ざんされていたのである。虚偽答弁と虚偽文書で、国会と国民を愚弄してきた。
 これから私たちは、国会で公文書をもらったときに、これはほんとうですかと疑い、答弁も嘘ではないかと思いながら聞くしかなくなる。まさに今回、民主主義が破壊され、政治の信頼が壊れてしまったのである。
 逆にいえば、今年の三月二日、朝日新聞が別の文書がありうると改ざんの可能性を報道しなければ、この虚偽答弁、文書改ざんは覆い隠され、「完全犯罪」として成立したのである。
 驚くべきことは山のようにある。
 三月二日、朝日新聞が報道し、決裁文書の改ざんの可能性が出てきた。三月一二日、財務省が決裁文書一四件の大量の改ざんを公表した。しかし、三月八日、私たち国会議員に財務省から「これがすべてです」と配られた一四件の決裁文書のコピーは、去年国会議員に提出された、改ざん後の文書とまったく同じものだった。三月二日に疑惑が報じられ、調査をしている最中に、なぜまた改ざん後の文書を提出したのか。国会がなめられているとしか言いようがない。改ざん後の文書を正式に国会に提出して、バレないとでも思っていたのか。それが今年の三月八日の話なのである。
 三月五日の正午に、参議院の予算委員会の理事会で財務省は、正式な決裁書の原本は近畿財務局にあると説明した。この説明は、三月二日にも受けている。このときの疑問は、原本を見れば一分で改ざんされたかどうかわかるので、原本を確認すべきだというものであった。財務省は、調査中、調査中と言って明確に答えない。ならばと超党派の五人の国会議員で、三月五日午後に大阪に向かった。近畿財務局である。「原本を見せてください」という交渉をしつづけていた四時五〇分ごろ、財務省の理財局総務課長の中村さんから電話が入った。「原本はそこにありません。すでに捜査当局に任意提出し、押収されています」と。「えーっ」と心底驚いた。ここにない! いったいいつ提出したのか。私たちは何のために大阪まできたのか。
 私は、参議院の予算委員会の理事会という国会の正式な委員会の理事会で、「原本は近畿財務局にある」と嘘をついたことがほんとうに許せない。こんなの、すぐわかる嘘ではないか。嘘が嘘を呼び、ぜんぶ嘘で、嘘で塗り固めていて、説明のどこを信じたらいいのか、わからなくなっている状態である。
 いったん嘘をつくと、それを覆い隠すために、次から次へとたくさんの嘘をつき、嘘で塗り固めないとならなくなる。大量の虚偽答弁と改ざんされた文書。なぜこんなことをしなければならないのか。もっと大きなことを隠さなければならなかったのである。
 去年の二月一七日、安倍総理は国会で、「私や妻が関係していれば、首相も国会議員も辞める」と宣言した。働きかけでも、不正な働きかけでもない、関係していれば辞めると言ったのである。これからさらに疑惑を追及しなければならないが、もうすでに安倍昭恵さんの関係は十分に明らかになっている。安倍昭恵内閣総理大臣夫人が関係していなければ、このようなことが起きなかったのではないか。
 国会でつくづく思うことは、税金の私物化、政策の私物化、政治の私物化である。だれのための政治なのか。民主主義を、ほんとうに人々に取り戻さないといけない。みんなのための政治を、みんなで実現していこう。




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